恋＝夢＋魔法の力
◎パリに恋して恋い焦がれた日
私は今パリに滞在しています。
今から三十年ほど前、私はパリに恋をしていました。
パリの完璧な美しさとその裏に潜む高慢な冷たさ、上流階級の文化と庶民の生活が程よいバランスで共存し、そして何より街角に立つだけで１９世紀にタイムスリップしたような光景が町全体に存在することです。
たとえて言うなら、江戸時代の街並みそのものの外観に快適な現代生活を営める居住空間を造っているパリだけでなくフランス中そうです。
そんな美しいパリが私の心をわしづかみにしたのでした。
親友が住んでいたこともあり、パリに行きたい一心で、パリに行ける仕事を考え、それが現在の会社の基礎となりました。
テレビでパリという言葉が出るたびに、胸が痛くなったものです。（笑）
パリの何が私の心を魅了して止まないのか、それを知りたいと思いました。
◎パリへの恋の正体は
十数年ほどパリに通いつめ、年に数ヵ月住んでみたりする内に、親友も亡くなり、生活が変わると共にいつしか私の心も変わっていきました。
そして、パリの町にたたずんで、私が十数年にわたり恋していたパリの景色を見つめながら思ったのは、最も私の心を惹きつけていたのは、ヴィクトル・ユーゴーが「パリの光と影を見たものは一生パリを忘れられない」と言った通り、パリの光でした。
緯度が高いせいか、すべての色が日本で見るより紫がかり、微妙なカラーコントラストで深い色合いに見えるのです。
多くの芸術家が魅せられ、エコールドパリの一時代が築かれたのも大いに頷けます。
色は波長であり、嫌いな色の中で生活していると、イライラするぐらい日常において大切なものです。
ですから、パリの色の波長は、私の大好きな色で構成されているので居心地がよく、その場を離れがたくさせていたのです。
この事がわかってから、ようやくパリの恋から卒業できました。
でもこの恋によって、私は現在の会社の基盤を築き、ケアストレスカウンセラーの基礎であるメンタルヘルスの教材を作るパワーをもらったといえるでしょう。
◎恋が導く新しい自分、新しい人生
私の仕事仲間であるＩ君は結婚否定主義者でした。
会う度に、結婚なんて自由を束縛されるので興味がないと言っていたのでした。
ところが先日会った時、実に生き生きとして、笑顔も魅力的になって仕事も充実している様子に、Ｉ君に何が起こったのだろうかと内心聞きたい思いがムラムラと湧いてきました。それを察したようにＩ君が
「僕、彼女が出来ました。」
「へぇ～、良かったじゃない！ 結婚式には呼んでね。」
「はい、結婚しようと言いました。そうしたら、彼女は、はい！って返事をくれました。」
と、Ｉ君はそこで考え込んでしまいました。その決断が正しかったのか否か反芻しているようです。
これは多くの結婚したいけれど結婚できないと相談に来る方達に共通した現象です。
いったい何をためらっているのか、何が問題なのか、私には理解できません。
それでカウンセリングの要領で「なぜ結婚しようと思ったの？」と尋ねてみました。
「今までの彼女は、僕をちやほやしてくれました。でも今の彼女は静かに見守って、健康に気を配ってくれます。
まるで、母親のように、、、。だから、今まで彼女ができると不安だったのですが、今回は安心できる相手だから、、、。」
ちゃんと、理由もはっきりしていて、それで充分です。
恋が結婚生活に飛び込む勇気をＩ君に与え、人生の次のステージに送り出してくれたのです。
少年のような面差しのＩ君ですがもう３０代半ば、風貌もスタイルもよいので女性からはモテモテだったのは、想像がつきました。
でも、恋をするたびに不安だったのは可哀相ですが、本当の恋ではなかったのでしょう。
それは別人のように素敵になったＩ君自身が証明しています。
◎変化とは進歩、恋する気持ちも進歩する
人は１０年単位でどんどん変化していくものです。
昔から「１０年ひと昔」と言いますものね。
それは決して悪い事ではなく、進歩していくからです。
ですから、結婚しても結婚当初と同じ思いでいたら、いつしか溝ができることに気が付かないでしょう。
結婚は、努力の上にしか成り立ちません。
相手の状況を見て、お互いが調整を繰り返しながら継続するものです。
時の経過と共に、人の気持ちが変化して当然という理解さえあれば結婚前にはこんなだったというようなつまらない不満は解消されます。
◎恋をしましょう、いつまでも
恋をしましょう！！
恋は夢と想像もつかないパワーを与えてくれるものです。対象は人でも物でも何でも構いません。
心を動かし、切ないくらい熱い思いが湧いてくるって、素晴らしいことです。
私の尊敬する高崎一郎先生は
「人生で一番大切なのは何回感動できるかです。」といつも仰っていました。
因みに私は今、ハワイの風に恋しています！！
チーム絆代表 渡辺 照子