楽しくなければ、ボランティアじゃない!!

ライオンズクラブホノルル大会

  2015年6月末、第98回ライオンズクラブホノルル大会に出席してきた。縁あって、数年前からライオンズクラブのお手伝いをしている。
時々、「ライオンズクラブって何?」若い方から聞かれる。
創立98年の歴史あるボランティアクラブだ。メンバーも世界中で160万人を有し、世界で一番大きいボランティアクラブ。私の所属している東京支部でさえ、設立42年目だ。
  私がパシリをしているくらいだから、日本の社会と同じ高齢化している、今まで、ボランティアをしたいと思ってはいたが、私には守るべき者が沢山いた。自分の頭の上の蝿を追うことで精いっぱい、他人の面倒など見る余裕がなかった。しかし、子供も成長し、両親を無事に見送り、会社のスタッフもしっかりとした家庭を築きあげたこの頃では、私が面倒を見てもらうことも多くなってきた。それで、ライオンズクラブに参加することになった。



 今年の世界大会には、医師の山田実紘先生が国際会長に選出されたので、日本から4000人以上の人が出席し、1万人以上のメンバーが世界各国から集まった。
カラカウア大通りのパレードなど、それぞれの国の衣装をまとったライオンズに埋め尽くされて、お祭り気分が盛り上がっていた。日本では、有名ホテルで例会をするなど形式にこだわっているが、あまりにイメージが違っていたのでちょっと驚いた。そこに溢れていたのは「笑顔」だ。笑いではない「笑顔」だった!!

 記念品の売店から「Lサイズや、エル!!」という関西弁が聞こえてきた。どうやらTシャツのサイズを聞いているらしい。「エル?」店員が怪訝そうな顔で聞き返す。そして「Oh ,Large size!」「そやそや!ラージやったなぁ~」
笑顔があれば、言葉はあまり必要がない。
 日本からクラブバッジ100個ほど持参したが、バッジ交換会に出席できず持ち帰らなければならない羽目になってしまった。クラブバッジ100個は重い。意を決して、会場で配布することにした。ところがあっという間に、私の前には黒山の人だかりができ、5分と経たずに全て無くなってしまった。
  そのバッジの受け取り方も、各国さまざま。大方の人は自分のバッジを箱の中に入れてくれた。アフリカの人は無償だと聞くと大喜びして、もう一個、もう一個と掴み取りよろしく掌一杯のバッジを、白い歯を見せて持って行った。

  配布が終わったので、帰ろうとすると後ろから肩をたたかれた。そこには、うちわを持った韓国の女性が立っていた。「私は何も持っていないので、これを使ってください」とシルクで勾玉をかたどったうちわを差し出した。本当に嬉しかった。日韓関係が悪くなってもう数年経つ。私の知っている韓国の方はみんな良い人だ。同じ価値観や倫理観を持ち、長い文化も共有している。
 それなのに、対国家、対政治になると、敵対視しなければならない雰囲気になる。それが悲しいといつも思う、同じ人間なのに、、。頂いたうちわ、大切に使わせていただいている。



ライオンズボランティアのテーマは2つ、

  • 1.視覚障害者へのサポート   2.子供たちへの貢献

  シリアの内戦などで世界では8億人の子供たちが飢餓に苦しんでいる。個人の力では何もできないが、160万人集まれば気持ちが形に変えられる。
刀を置いた「侍ボランティア」=日本人の精神文化を根底に、お互いの尊厳を大切にしたボランティアをしようという山田新国際会長の就任スピーチは、日本人のアイデンティティーがあり、大きな共鳴を感じた。

母の日のカーネーションプレゼント

  2015年5月10日「母の日、カーネーションプレゼント」を初夏の日差しの中、麻布十番商店街で催した。
「お母さんにありがとうと言ってね!」と子供たちにカーネーションを手渡す。
幼い子供はおうむ返しに「ありがとう」と母親の顔を見る。その時の母親の満面の笑みが忘れられない。微笑みが溢れ出てくる感じ、見ているこちらも嬉しくなってくる。
  600本用意したカーネーションも2時間で配布終了。また同時に、港区は住人の10人に1人は外国人という特性を生かして、ネーパール地震の募金も行った。
  私はこういう活動を通して、人間の行動観察をするのがすごく面白い。自分の為には、募金をして欲しいとはとても言えないが、他人の為なら大声で言える。概ね、外国人は募金活動をしていると遠くからでも寄ってきて、必ず献金してくれる。献金することの価値観と誇りが、確立している。日本人は、募金箱の前で少しモゾモゾし、恥ずかしそうに、ソ~ッと献金してくれる。
  カーネーションを配布していると、なんとなく近寄ってくるシニアの女性にもお花を差し上げた。しばらくすると、わざわざ戻ってきてくださり、「少ないですが」と言って献金してくださる、善意の連鎖だ。私達メンバーは、声を合わせて「ありがとうございます!!」心底有難いと思う。それは、お金が集まるからということだけでなく、自分たちの活動が皆さんに受け入れていただけたことが、大変励みになる。私達にお約束できるのは、皆様からお預かりした募金は責任を持って被災地にお届けするのみ。


ボランティアは笑顔に始まり、笑顔に終わらなければ意味がない
今年の活動予定は以下の通りです。

是非、みなさまの温かいご協力とご支援をお願いします!!
                                                   チーム絆 代表  渡辺 照子